CHUKOH Journal

金属の切削加工とは?特徴や種類を解説!

  • 製品コラム
  • 2026/03/25

製造業において欠かせない加工技術のひとつが 金属の切削加工 です。
フライス加工や旋盤加工をはじめとする切削加工は、金属材料を削って精密な形状を作り出すため、機械部品・自動車部品・電子機器など幅広い製品で利用されています。特に、高い寸法精度複雑形状の加工が求められる場面では、他の加工方法では代替できないほど重要な役割を果たします。

本記事では、金属切削加工の基本的な仕組みから、主要な加工方法・使用される材料・加工時のポイントまで、わかりやすく解説します。
これから切削加工を依頼したい方や、加工方法を比較したい方にとって役立つ内容となっています。

 

金属の切削加工とは?

金属切削加工とは、金属加工のうちの一つの加工方法のことです。工具や工作機械を用いて金属を削ったり、穴をあけたりすることで希望の形の製品を作ります。
切削加工は、加工物を固定して工具を回転させることで加工する「フライス加工」と、工具を固定して加工物を回転させることで加工する「旋盤加工」の2つの方法に分かれます。
回転させる対象を変えることで丸い形状や直線的な形状を作ることができ、さまざまな工作機械が使用されています。なお、切削加工は金属だけでなく、樹脂などの材料加工にも広く用いられています。

金属切削の種類

切削加工には主に「フライス加工」と「旋盤加工」の2種類に分類されます。

フライス加工

フライス加工は回転軸に装着したフライスと呼ばれる切削工具を高速で回して加工を行う方法です。固定した素材に対して、工具を断続的に当てながら削っていくため、平面加工や曲面加工はもちろん、穴あけや溝加工など、幅広い加工が可能となります。
フライス盤には、工具を取り付ける主軸の向きによって横形・立形の種類があるほか、機械本体が門のような構造をした門形タイプなども存在します。加工目的に応じて、正面フライス、エンドミル、溝フライスなどのさまざまな工具を使い分け、求める形状に素材を仕上げていきます。

|マシニングセンタ

マシニングセンタとは、NC(数値制御)装置を備えた工作機械で、工具自動交換装置(ATC)により複数の工具を使い分けながら、フライス加工、穴あけ、タップ加工などを連続して行える高機能な加工機です。

この装置を使用することで、直線運動や回転運動を組み合わせた加工が可能となり、穴あけや曲面加工など、種類の異なる切削作業を一度の段取りで連続的に行えます。そのため、複雑な形状の部品を高精度かつ効率的に加工することができます。


|NCフライス(CNCフライス)

NCフライスとは、コンピュータによって加工条件を数値制御しながら行うフライス加工のことです。NCNumerical Control:数値制御)は、以前はパンチカードなどを使って指令を与えていた時代もありました。
現在では、機械本体に搭載されたコンピュータで制御を行うCNCComputerized Numerical Control)が主流となっており、CNC方式のフライス盤も含めて総称的に「NCフライス」と呼ばれることが多くなっています。

自動で動作するため作業の省力化に役立つうえ、3D CAD/CAMで作成した加工プログラムを用いることで、より複雑な形状の加工にも対応できる点が大きな特徴です。


旋盤加工

旋盤加工とは、丸棒や円筒形の材料を回転させながら、バイトと呼ばれる切削工具を当てて形状を削り出す加工方法です。材料を回転させた状態で工具を送り込むことで、外径をまっすぐに仕上げる加工や、先端を細くするテーパー加工などを行うことができます。

 また、ドリルによる「穴あけ加工」のほか、加工済みの穴を拡大・仕上げする「中ぐり加工」、ねじ部を形成する「ねじ切り加工」、細い工具で溝を入れながら材料を切り離す「突切り加工」など、多様な加工に対応可能です。

金属切削の材料

金属の切削加工では、主にアルミ合金、快削真鍮、炭素鋼、ステンレスが使用されます。その他の金属材料でも加工することはできますが、切削性やコストのバランスから、これらの材料が一般的に選定されています。

鉄系材料(鉄鋼)

S45C SS400 などの一般的な鉄の材料は、切削加工でもよく使われる身近な素材です。ただし、焼き入れなどの熱処理をするととても硬くなり、削りにくくなってしまいます。そのため、焼き入れは切削加工後に行うのが一般的です。


ステンレス系材料

SUS304 などのステンレス鋼も切削できますが、鉄に比べると硬くて工具が早く摩耗しやすい素材です。また削るのに時間がかかるため、加工コストが少し高くなる傾向があります。


アルミニウム合金

A2017(ジュラルミン)や A5056 などのアルミ合金は、とても切削しやすいのが特徴です。ただし、鉄などと比べると強度が低い場合があったり材料価格が比較的高い場合があります。(また、合金の種類によっては溶接性に注意が必要です。)


樹脂材料

ABSやポリエチレンなどの工業用樹脂(エンジニアリングプラスチック)の切削加工が可能です。歯車や試作部品などを削り出して製作する用途に使用されます。
PET
・アクリル・ポリカーボネートなどの透明な樹脂は、複雑な形状を削るのには向きませんが、穴開けや切り欠き加工は可能です。透明板に穴を開けて、機械の窓として取り付ける、といった使い方ができます。


その他の材料

チタン(合金?)・インコネル・タングステンなどは非常に硬く、切削加工が難しい材料です。これらの素材を切削加工する場合には、専用工具の選定や適切な加工条件の設定など、高度な加工条件が求められる場合があります。

金属切削を行う上での注意点

金属切削加工は、高精度な部品を製作できる一方で、加工条件や材料特性を適切に管理しなければ、品質低下や工具損傷につながる可能性があります。安定した加工を行うためには、以下の点に注意が必要です。

切削条件の適切な設定

切削速度、送り速度、切込み量などの加工条件は、材料や工具の種類によって最適値が異なります。条件が適切でない場合、工具の異常摩耗や加工面の粗れ、寸法精度の低下を引き起こす原因となります。
 特に、ステンレスやチタンなどの難削材では、切削条件を誤ると工具寿命が大きく低下するため、十分な注意が必要です。


工具摩耗・工具管理

切削工具は使用を重ねることで徐々に摩耗します。摩耗した工具を使い続けると、加工精度の低下だけでなく、工具欠損やワーク不良の原因となります。
 定期的に工具の摩耗状態を確認し、適切なタイミングで交換を行うことで、安定した加工品質を維持することが重要です。


発熱と切削熱への対策

金属切削では、工具と材料の接触によって大きな熱が発生します。過度な発熱は、寸法変化や工具寿命の低下、材料の性質変化などを引き起こす可能性があります。
 切削油(クーラント)の使用や加工条件の調製によって切削熱を抑制し、安定した加工環境を保つことが重要です。


切りくず・バリへの対策と安全性

金属切削では鋭利な切りくずやバリが発生します。切りくずが工具やワークに巻き付くと、加工不良や事故につながる恐れがあります。
切りくずの排出を考慮した加工条件の設定や、加工後のバリ処理、安全カバーや保護具の使用など、安全面への配慮が必要です。


材料特性の理解

同じ金属材料であっても、材質や熱処理の有無によって切削性は大きく異なります。材料特性を十分に理解し、それぞれに適した工具や加工条件を選定することが、品質安定とトラブル防止につながります。

よくある質問

Q1. 金属切削加工はどのような部品・用途に向いていますか?

金属切削加工は、高い寸法精度が求められる部品や、複雑な形状の加工に向いています。
フライス加工や旋盤加工を用いることで、平面・溝・穴・円筒形状など、幅広い形状に対応できるため、試作部品から量産部品までさまざまな用途で利用されています。


Q2. 金属切削加工で特に注意すべきポイントは何ですか?

金属切削では、材料特性に応じた切削条件の設定や、工具摩耗の管理が重要です。
条件が適切でない場合、加工面の粗れや寸法精度の低下、工具寿命の短縮などが起こる可能性があります。また、切削時に発生する熱や切りくずへの対策も、安定した加工品質を保つうえで欠かせません。


Q3. 金属切削と樹脂切削では、どのような違いがありますか?

金属切削と樹脂切削は同じ切削加工でも、考慮すべき点が異なります。
「金属切削」では工具負荷や摩耗管理が重要になるのに対し、「樹脂切削」では切削熱や変形を抑えるための条件設定が重要になります。
また、樹脂切削は金属では実現しにくい特性を活かした設計が可能で、近年ではさまざまな分野で活用が広がっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
金属切削加工は、フライス加工や旋盤加工を中心に、高い寸法精度や複雑形状に対応できる加工方法です。材料特性に応じた切削条件の設定や工具管理を行うことで、さまざまな用途に対応できます。

また、切削加工は金属だけでなく樹脂材料にも用いられる加工方法です。樹脂切削では、熱による変形や反りが生じやすいなど、金属切削とは異なる特性を考慮した加工が求められます。用途や材料に応じて、金属切削・樹脂切削を適切に使い分けることが重要です。

当社の関連会社の福本鉄工所では各種金属を高精度で切削加工が可能です。
お気軽に当社または福本鉄工所までお問い合わせください。

お問い合わせ

各種お問い合わせ、ご質問、資料請求など、お気軽にご連絡ください