
PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)は、優れた機能性を持つふっ素樹脂の一種で、半導体製造現場を中心に幅広く採用されています。
ふっ素樹脂の基本特性である耐薬品性に加え、機械的特性やガスバリア性、低温環境下でも性能を発揮する特性を備えており、主に半導体製造装置内部の部品として使用されています。
この記事では、PCTFEの基本特性やPTFEとの違い、切削加工に適している理由などをわかりやすく解説します。
「PCTFEの加工品を検討するにあたり、素材について詳しく知りたい」という方は、ぜひご一読ください。
目次
・PCTFEとは?
・PCTFEの特性(メリット・デメリット)
・PCTFEとPTFEの違いとは?
・PCTFEが切削加工に適している理由とは?
-主な用途例と加工事例-
・よくある質問(FAQ)
・まとめ
PCTFEとは?
PCTFEとは、ふっ素樹脂の一種でポリクロロトリフルオロエチレンのことを指します。
ふっ素樹脂は耐熱性、滑り性、非粘着性、耐薬品性、低摩擦性、絶縁性などに優れますが、PCTFEは優れた耐薬品性や耐熱性に加え、機械的強度、ガスバリア性、低温特性を持ちます。これらの特性を活かし、PCTFEは半導体製造装置内の部品として多く使用されています。
中興化成工業では、PCTFEをはじめとするふっ素樹脂の加工を幅広く行っております。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
PCTFEの特性(メリット・デメリット)
【メリット】
・機械的特性
高剛性・高硬度を持ち、外力による変形が起こりにくいです。
・ガスバリア性
水蒸気透過率が非常に低く、樹脂の中でもトップクラスの性能を有します。
・低温特性
マイナス環境下でも性能を維持し、安定した使用が可能です。
・寸法安定性
熱膨張係数が小さく、温度変化による寸法変化が少ないです。
【デメリット】
・耐熱性
PTFEは約260℃まで使用可能なのに対し、PCTFEは約200℃までとPTFEよりも劣ります。
・脆性傾向
高剛性の反面、衝撃に弱く割れやすい傾向があります。
PCTFEとPTFEの違いとは?
同じふっ素樹脂であるPTFEと比べると、PCTFEはより硬く変形しにくい特性を持っています。反対に、PTFEは柔軟性や耐熱性に優れているため、用途や必要な特性に合わせて使い分けられています。

PCTFEが切削加工に適している理由とは?-主な用途例と加工事例-
PCTFEは、数ある樹脂素材の中でも「切削加工に非常に適した高機能樹脂」として注目されています。
最大の理由は、高い剛性により加工中にバリや変形が起こりにくく、安定した形状を保てる点です。これにより、精密部品の加工においても高い信頼性を発揮します。
当社では、高精度が求められる分野で広く採用されているPCTFEの加工を行っており、主に半導体製造装置部品を取り扱っています。安定した品質と信頼性の高い製品を提供することで、お客様の多様なニーズにお応えしています。
【主な用途例】
・半導体製造装置部品
・宇宙航空分野の部品
・医療機器の部品 など
【加工事例】
素材から部材まで製造可能です。詳細はお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q1.PTFEとの違いは?
A.PTFEは柔軟性や耐熱性に優れるのに対し、PCTFEは硬く変形しにくい特性を持っています。また、ガスバリア性に優れている点も大きな特徴です。
Q2.少量からでも購入できますか?
A.はい、少量からのご注文にも対応しております。お気軽にご相談ください。
Q3.どのくらいの大きさまで対応できますか?
A.最大1000mmまで対応可能です。特殊サイズに関しても、まずはお気軽にご相談ください。
Q4.加工後の寸法安定性は?
A.非常に高いですが、加工応力や温度管理によって変形する可能性があります。アニール処理で安定性向上が期待できます。
まとめ
この記事では、PCTFEの特性や用途についてご紹介しました。
PCTFEは、寸法安定性、機械的特性、ガスバリア性、低温特性を兼ね備えた高機能樹脂であり、精密加工が求められる現場において、今後ますます活用が広がる素材といえるでしょう。
中興化成工業では、半導体製造装置部品に最適なPCTFEの切削加工品を取り扱っております。
「まずは試してみたい」「課題を解決する製品を探している」といった方は、ぜひお気軽にご相談ください。





