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ふっ素樹脂チューブとは?特徴や用途を解説

  • 製品コラム
  • 2025/06/02

ふっ素樹脂チューブとは、ふっ素樹脂(PTFE・PFAなど)をチューブ状に成形した製品です。
ストレートチューブだけでなく様々な形状への加工が可能なため、幅広い産業分野で使用することができます。

この記事では、ふっ素樹脂チューブの特徴や用途について解説します。

ふっ素樹脂粘着チューブとは?

ふっ素樹脂チューブに使用されるふっ素樹脂は、フッ素原子を含むプラスチック原料の総称です。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)をはじめとする9種類の代表的な樹脂があり、耐熱性・滑り性・非粘着性・耐薬品性・絶縁性・耐候性に優れた性質を同時に兼ね備えるプラスチックです。

なお、ふっ素樹脂は"テフロン™"という名称で広く知られておりますが、"テフロン™"とはケマーズ社が製造するふっ素樹脂製品の製品名になります。

このふっ素樹脂をチューブ状に成型した製品がふっ素樹脂チューブです。
ふっ素樹脂チューブにはスタンダード品のストレートタイプをはじめ、マルチルーメンチューブや熱収縮チューブ、曲げ加工品など豊富な寸法・規格があるため、幅広い産業分野で活躍しています。

 

ふっ素樹脂チューブの特性

・非粘着性

ほとんどの物質がくっつかない性質をもっています。
離型性ともいわれ、仮にくっついたとしても容易に剥がせる性質があります。

・滑り性

PTFEはあらゆる固体の中で最小の摩擦係数を持っています。
摩擦抵抗が極めて小さいため、チューブの内面も滑りやすく、飲み物やドレッシングも容易に充填することができます。

・耐熱性

プラスチックの中ではトップクラスの耐熱性・耐寒性を持っています。
低温から高温まで幅広い温度範囲で使用できます。

・電気絶縁性

プラスチックの中で最高レベルの電気絶縁性を持っています。
そのため、通信ケーブルやパワーケーブルの被覆などにも使用可能です。

・耐薬品性

安定した分子構造を持ち、ほとんどの薬液や溶剤に対して不活性です。
そのため強酸や強アルカリに触れても溶出する不純物が少なく、薬液移送や半導体製造装置に使用することができます。

 

ふっ素樹脂チューブの主な用途例

飲み物やドレッシングなどをボトルに充填する際には液切れの良さや、つまり防止のため、滑り性や離型性が必要になります。
そこで、中興化成のふっ素樹脂チューブを使用することで、非常に優れた滑り性・離型性により、液残りや汚れの付着も防ぐことができます。そのため、洗浄も簡単になるというメリットがあります。

その他にも、ふっ素樹脂の滑り性や非粘着性などの特性を活かし、内視鏡やカテーテルの部材や自動車のコントロールケーブルの内層材、薬液や燃料などの移送などさまざまな用途に使用されています。

 

ふっ素樹脂チューブの種類・加工例

中興化成のふっ素樹脂チューブには、PTFEチューブ・PFAチューブがあります。このふっ素樹脂チューブを様々な形状に加工することも可能です。中興化成では、下記のふっ素樹脂チューブを取り扱っております。用途ごとのご提案も可能ですので、お気軽にご相談ください。

PTFEチューブ

PTFEチューブ【TUF-100】

PTFEを押出成形した薄肉のストレートチューブです。耐薬品性などに優れ、幅広い産業分野で使用されています。UL認定品(UL File No.E71017)やAWGサイズ※、着色チューブ(受注生産品:黒・白・赤・青・緑・黄・橙・灰色)も製造可能ですので、ご希望の場合は別途お問い合わせください。
※AWGはアメリカのワイヤーゲージ規格の名称になります。

製品詳細:https://www.chukoh.com/products/tube/ptfe/

 

PFAチューブ

PFAチューブ【TUF-200】

ふっ素樹脂PFAを溶融押出成形した透明性が高いチューブです。 一般用樹脂グレードのEN品と半導体用樹脂グレードのES品があります。ES品は特に半導体製造装置用としてチューブ内面の平滑性に優れ、溶出イオンを押えた高純度PFAチューブです。 チューブの色が透明なため、流体を確認しやすくなります。

製品詳細:https://www.chukoh.com/products/tube/pfa/

異形押出し・マルチルーメンチューブ

異形押出し・マルチルーメンチューブ

PTFEを独自の押出成形により多様な形状の長尺製品を成形することができます。ふっ素樹脂の持つ、滑り性や耐薬品性、耐熱性などの特性を保持したまま、自由な形状設計が可能です。企画から製造まで社内一貫生産いたします。

製品詳細:https://www.chukoh.com/products/tube/multi-lumen/

熱収縮チューブ

熱収縮チューブ

チューブに基材を挿入し加熱収縮させることにより、基材の表面にふっ素樹脂の特性を付与することができます。被覆施工も承りますので、ご希望の場合は別途お問い合わせください。

製品詳細:https://www.chukoh.com/products/tube/ptfe-heatshrink/

その他にもFEPチューブや、シャープペンシルの芯のように細い薄肉チューブ、スパイラル形状に成形したスネークルホース、各種チューブの三次元曲げ加工や溶着継手加工など、ご要望に合わせた形状に加工することができます。
また、PTFEチューブより柔らかく、微細孔により通気性、透湿性を持ちながらも防水、撥水機能を兼ね備えるPTFE多孔質チューブも取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

中興化成で取り扱っているふっ素樹脂チューブについてご紹介いたしました。

ふっ素樹脂は様々な特性を持ち、その特性を生かして食品・化学・半導体・液晶・理化学機器・医療など多くの業界で幅広く活躍し、現代産業を支えています。
一つのプラスチックが多くの特性を持つのは珍しく、"最後の砦の樹脂"といわれることもあります。
そのためこのふっ素樹脂を応用したチューブは、お客様の様々な課題やお悩みを解決する製品です。
中興化成では、食品製造工程や高温、薬液雰囲気下におすすめのふっ素樹脂チューブを取り扱っております。まずは試してみたいという方、お客様の課題やお悩みを解決する製品の製造をご希望の方はお気軽にご相談ください。

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